がんリハ

シェアする

がんのリハビリテーションという言葉を聞いた事ありますか?

リハビリという言葉は一般的に聞くと思いますが、具体的に何をするのかよく分からないですよね。

マッサージ?と思う方も多いと思います。

がんのリハビリテーション

リハビリテーションは、英語でrehabilitationと書きます。意味は、「reが再び」、「habilitationが社会へ」というニュアンスです。要約しますと、社会へ再び復帰するためのお手伝いが、リハビリテーションです。

脳卒中や骨折をした方が、病院でリハビリをして退院した。というのは良く耳にすると思いますが、がんの方が入院してリハビリをして退院したというのはあまり聞き慣れないでしょう。

がんのリハビリテーションは、歴史がとても浅いんです。2002年に静岡県立静岡がんセンターに初めてがんリハビリテーション科が開院したのが始まりです。

この記事では、これからがんのリハビリテーションを受けるであろうがんの方に、がんのリハビリテーションについて詳しく説明していきます。

がんのリハビリテーションの目的

”がんんとその統合的な治療過程において受けた身体的及び心理的な種種の制約に対して、個々の患者が属するそれぞれの家庭や社会へ、可能な限り早く復帰する事が出来るように導いていく事”です。

自宅で生活できる元気な方は、がんのリハビリテーションの対象となりません。がんのリハビリテーションは、入院患者が対象です。(2019年現在では)

がんの進行もしくは治療の過程で様々な身体の不調を生じてきます。そのために入院が必要になる事がありますよね。一度入院してしまうと、大半の方がベッド上の生活になります。するといざ退院となった時に、体力と気力が低下しており、自宅に帰れない方が多く見られます。

体力と気力だけならまだ良い方です。がんの進行や薬剤による運動麻痺、筋力低下、関節の拘縮、しびれ、神経の痛み、病的な骨折、上下肢の浮腫などの症状が出現し、自宅への退院が困難になります。これらのイベントに対して行われるのが、がんのリハビリテーションです。

がんのリハビリテーションの効果

日常生活動作(ADL)、生活の質(QOL)の向上
筋力、体力、関節可動域の維持、向上
痛みを和らげる(疼痛緩和)
心理的負担の軽減
最大限の身体の動きを獲得
乳がん手術後の肩挙上障害に対する効果
肺がん、食道がん術後に起こりうる合併症の予防効果
上肢や下肢の浮腫みを改善させる

がんのリハビリテーションの実際

がんのリハビリテーションの内容をまとめると、以下のようになります。

  • 痛みが最小限になる動作の工夫
  • 活動性を落とさない筋力、関節可動域訓練
  • 荷重制限
  • 装具の使用(カラー、コルセット)
  • 環境調整(高い座位設定や手すりの設置、電動ベッドの導入等)
  • 大きな早い動作を避け、細かくゆっくりとした動作を心がけるよう指導する
  • 脊柱起立筋や腸腰筋の緊張緩和

しかし、がんのリハビリテーションはオーダーメイドです。患者さんはがんだけの病気を抱えいるとは限りません。また、がんの臓器も、進行度も、治療の副作用も異なります。その方の状態に合せたリハビリテーションが行われます。

脳腫瘍・脳転移のリハビリテーション

準備中

頭頸部がんのリハビリテーション

準備中

乳がんのリハビリテーション

肺がんのリハビリテーション

準備中

骨転移のリハビリテーション

準備中

血液がんのリハビリテーション

準備中

がんの疼痛のリハビリテーション

準備中

がんのリハビリテーションを受けるメリット

二次的合併症の予防

⇒がん治療のために入院すると活動量が落ち、筋力、体力、神経、免疫、循環器と全てに影響を与えます。そうなると、日中活動する気力がなくなり、トイレ以外はベッド上生活になってしまうという悪循環が生まれてしまいます。

がんのリハビリテーションは、その人に合せた内容で行われます。歩くのが辛い方には、ベッド上でできる事をします。二次的合併症を予防するためにも、がんのリハビリテーションは有効です。

孤独な入院生活の楽しみ

⇒がんのリハビリテーションは、毎日もしくは週5日あります。どこも担当制で、担当の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がつきます。がんのリハビリテーションの時間は40分~60分です。みなさん、担当のセラピストが来るのを楽しみに待っておられます。土日でがんのリハビリテーションがないと、月曜日が待ち遠しいようです。

自宅へ帰るための準備

⇒がんのリハビリテーションの目的は、社会へ復帰することであると、上述しました。がんの進行や治療の副作用などにより、自宅へ退院したくても、出来ないケースがあります。

そんな方には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるリハビリテーションが必要です。

現在のお身体の状態を把握し、最善の方法を提案することで、自宅退院を可能にすることができます。

退院するためにその方に必要な福祉用具(歩行器や杖、ベッドなど)の提案、住宅改修(手すりの位置、段差解消の有無)の提案により、自宅退院を可能にしていきます。

がんのリハビリテーションを受けるには

がんのリハビリテーションは、受けられる対象が決まっています。

<がんのリハビリテーションの対象>
ア 食道がん、肺がん、縦隔腫瘍、胃がん、肝臓がん、胆嚢がん、大腸がん又は膵臓がんと診断された患者であって、これらのがんの治療のために入院している間に閉鎖循環式全身麻酔による手術が行われる予定のもの又は行われたもの
イ 舌がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がんその他頸部リンパ節郭清を必要とするがんと診断された患者であって、これらのがんの治療のために入院している間に放射線治療若しくは閉鎖循環式全身麻酔による手術が行われる予定のもの又は行われたもの
ウ 乳がんと診断された患者であって、乳がんの治療のために入院している間にリンパ節郭清を伴う乳腺悪性腫瘍手術が行われる予定のもの又は行われたもの
エ 骨軟部腫瘍又はがんの骨転移と診断された患者であって、これらのがんの治療のために入院している間にこれらの部位に対する手術、化学療法若しくは放射線治療が行われる予定のもの又は行われたもの
オ 原発性脳腫瘍又は転移性脳腫瘍と診断された患者であって、これらのがんの治療のために入院している間に手術若しくは放射線治療が行われる予定のもの又は行われたもの
カ 血液腫瘍と診断された患者であって、血液腫瘍の治療のために入院している間に化学療法若しくは造血幹細胞移植が行われる予定のもの又は行われたもの
キ がんと診断された患者であって、がんの治療のために入院している間に化学療法(骨髄抑制が見込まれるものに限る。)が行われる予定のもの又は行われたもの
ク 緩和ケアを目的とした治療を行っている進行がん又は末期がんの患者であって、症状の増悪により入院している間に在宅復帰を目的としたリハビリテーションが必要なもの

以上のように難しい説明が書かれておりますが、簡単にまとめますと、
「入院されているがんの方で、化学療法を行っている、手術を受けた、自宅退院を目的としている方」が対象となります。

がんのリハビリテーションの点数

「20分205点」、すなわち「20分2050円」です。そこから、1-3割負担となります。
1日40分×20日すると、月8万2000円かかります。

高い!!!!
私もそう思います。笑

しかし、ここは日本です。国民皆保険制度があります。

リハビリテーション料は、入院費や治療費やその他検査代などと合算されるので、高額医療制度を申請しておけば、自己負担額の上限となり、窓口で支払う金額は変わりません。

がんで入院される場合、抗がん剤の費用がとても高いので、がんのリハビリテーションをしても、しなくても、自己負担額は変わらない事が多いです。

がんのリハビリテーションは入院+自宅で受けられる

退院後に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が自宅に来てもらい、リハビリテーションを行う訪問リハビリもあります。主な対象の方は、終末期がんです。「人生の最期は自宅で迎えたい」と考えている方はとても多いです。しかし現実は厳しく、ほとんどの方が病院や緩和ケア、施設で最期を迎えています。最期を自宅で迎えるために、最期のぎりぎりまで自宅で家族と過ごしたいと考えている方々をサポートするのが、訪問リハビリの大きな役割となっています。

訪問リハビリは、在宅医、訪問看護師、訪問介護士とチームを組みます。チーム内で連携し、その方の最期をサポートします。

具体的な訪問リハビリテーションについては、別のページで述べていきます。(只今、執筆準備中)

まとめ

  1. がんのリハビリテーションは広く認知されてきている。
  2. がんのリハビリテーションの効果はエビデンスがある。
  3. オーダーメイドで行われるのが、がんのリハビリテーションである。