がんとEPA,DHA

シェアする

オメガ3系脂肪酸のEPA、DHAが広義の免疫向上に有効である可能性については別記事で述べていますが、EPA、DHAを語るには言葉足らずでした。

免疫の仕組み・免疫を高める方法

がんに対するEPA、DHAの効果は現在検証されていますが、結論はまだ出ていません。

また、適切量以上のEPA、DHA摂取はリスクも高まるので、しっかりと理解しておく事が重要です。

今回はがんとEPA、DHAをテーマに述べていきます。

がんとEPA、DHA

必須脂肪酸のEPA、DHA

    • EPA(エイコサペンタエン酸)
    • DHA(ドコサヘキサエン酸)

体内で生成されない脂肪酸を、必須脂肪酸と呼びます。

そのため、食事より摂取する必要があります。食品では魚類に多く含まれており、その代表はサンマ、サバ、ブリ、イワシです。

医療分野では、高脂血症治療や閉塞性動脈硬化症に対する治療に応用されています。

EPAは血管壁や細胞壁の膜形成に重要です。

DHAは網膜や脳神経、脳血管の膜形成に重要です。




どのくらい食べればいいの?

厚生労働省の日本人の食事摂取基準

オメガ3系脂肪酸の摂取基準

男性と女性でEPA+DHAの摂取量は異なります。男性は2.0-2.4g、女性は1.6-2.0gです。

魚介類のEPA+DHA含有量

多価不飽和脂肪酸の含有量日本食品標準成分表2015年版(七訂)

多価不飽和脂肪酸は、オメガ3とオメガ6に分けられます(9もありますが省略

)。

多価不飽和脂肪酸の含有量の約30%がオメガ3系脂肪酸となります。

例えばさんまだとオメガ3系脂肪酸は2.8g含まれています。。

さんま、アジにはEPA+DHAが豊富に含まれています。

調理方法により摂取できるEPA+DHAは変わります。

理想は刺身などの生食ですが、焼き魚でも80%は摂取できるようです。

さんまやアジを食べれば、調理しても十分量摂取可能です。

しかし、毎日青魚を食べる日本人はどのくらい居るのでしょうか。

疑問です。

さんまは季節の魚なので、年中出回っているさんまの缶詰で代用すると良いでしょう。

EPA+DHAの注意点

EPAやDHAは血液をサラサラにする作用があります。

サプリで補う場合、ワーファリンなど血液抗凝固剤を使用している方は要注意です。

毎日青魚を食べるのは難しいので、サプリも併用すると良いですが、EPA、DHAの含まれる量を確認することをおススメします。

意外とEPA、DHAが含まれていないサプリも存在しますから。

EPA,DHAの抗がん作用

EPA,DHAの作用経路
マウス実験において、EPA+DHAの摂取が乳がん発生リスクを軽減させています

ヒトを対象とした研究では、閉経前女性がEPA+DHAを摂取することで乳がんリスクが軽減する可能性があるとしています。

無作為化二重盲検比較試験では、乳がん患者を対象としてEPA+DHAの摂取によりCRPの維持、CD4+Tcell(キラーTリンパ球)の維持が確認されています。

参考文献
・Chatterjee M. Combinatorial effect of fish oil (Maxepa) and 1alpha,25-dihydroxyvitamin D(3) in the chemoprevention of DMBA-induced mammary carcinogenesis in rats. Chem Biol Interact. 188:102–10. 2010.
・Negi AK, Kansal S, Bhatnagar A, Agnihotri N. Alteration in apoptosis and cell cycle by celecoxib and/or fish oil in 7,12-dimethyl benzene (α) anthracene-induced mammary carcinogenesis. Tumour Biol. 34:3753–64. 2013.
・Manni A. Influence of omega-3 fatty acids on tamoxifen-induced suppression of rat mammary carcinogenesis. Int J Cancer. 134:1549–57. 2014.
・Chajès V. ω-3 and ω-6 polyunsaturated fatty acid intakes and the risk of breast cancer in Mexican women: impact of obesity status. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 21:319–26. 2012.
・Goodstine SL, Zheng T, Holford TR, Ward BA, Carter D, Owens PH, et al. Dietary (n-3)/(n-6) fatty acid ratio: possible relationship to premenopausal but not postmenopausal breast cancer risk in U.S. women. J Nutr. 133:1409–14. 2003.
・Paixão EMDS et al. The effects of EPA and DHA enriched fish oil on nutritional and immunological markers of treatment naïve breast cancer patients: a randomized double-blind controlled trial. Nutr J.2017.


EPA+DHAとがんまとめ

EPAは高脂血症治療や閉塞性動脈硬化症の治療に使用されています。

抗炎症作用を認めることは明らかです。

炎症とがんは切り離せない関係であるため、強力な抗炎症作用は抗ガン作用が認められると考えられますが、エビデンスの確立までは至ってません。

しかし、がん栄養の面では有用であるため、がん悪液質改善効果を目的に摂取すべきだと考えています。