重粒子線治療

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日本で行われている粒子線治療は、陽子線治療と重粒子線治療があります。

陽子線治療についてはまとめていますが、重粒子線と何が違うのか教えて欲しいと要望がありました。

確かに似ていますね。

重粒子線治療も一部保険適応の疾患があります。また、先進医療も行われています。

ここでは重粒子線について、簡単に説明します。

重粒子線と陽子線の違い

炭素イオンを光の速度の約70%まで加速させ、そのエネルギーを利用して癌を攻撃する治療法です。陽子線に用いられる陽子中性子より粒子が大きく、高エネルギーを発生させます。重粒子と陽子線の違いは、用いる粒子の大きさと、発生させるエネルギー量と考えれば、イメージしやすいかと思います。

重粒子線:高エネルギー  陽子線 :低エネルギー

重粒子線は、高エネルギーを悪性腫瘍へ直接あて、死滅させる

陽子線は、低エネルギーを悪性腫瘍へあて、間接的に死滅させる。

重粒子線と陽子線の違い

*重粒子線は高エネルギーの分、治療回数は少なくて済みます。

陽子線治療について

保険適応疾患

頭頸部腫瘍

  • 非扁平上皮癌及び涙腺癌
  • 頭頸部悪性黒色腫
  • 頭頸部扁平上皮癌

泌尿器部腫瘍

  • 前立腺癌

骨軟部腫瘍

  • 頭蓋底腫瘍
  • 骨軟部腫瘍
  • 頭頸部骨軟部腫瘍

保険適応外の対象疾患

重粒子線は固形がんが対象になります。

  • 頭頚部がん
  • 肺がん
  • 肝がん
  • 子宮がん
  • 直腸がん(骨盤内再発)
  • 前立腺がん
  • 骨軟部腫瘍
  • 眼球腫瘍
  • 涙腺がん
  • 食道がん

重粒子線治療が出来ないケース

数カ所に転移がある(1カ所なら可能なことも)

同じ腫瘍に対し、重粒子線治療歴がある

医師に難しいと判断された場合(体調など)

重粒子線治療の費用

陽子線治療と同様に、治療費は約300万円です。

保険適応疾患であれば、高額療養費制度が適応されます。

先進医療の対象であれば、検査費や診察代は保険適応となります。

また、民間保険の先進医療特約の対象になりますので、問い合わせされると良いです。

先進医療

重粒子線と先進医療

【先進医療A】

適応:肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。)

医療機関

群馬県  群馬大学医学部附属病院

千葉県  放射線医学総合研究所病院

神奈川県 神奈川県立がんセンター

大阪府 大阪重粒子線センター

兵庫県 兵庫県立粒子線医療センター

佐賀県 九州国際重粒子線がん治療センター





【先進医療B】

⇒重粒子線治療は、重粒子線照射装置を用いて1日1回行う。 1回15.0Gy(RBE)、合計4 回、総線量60.0Gy(RBE)(週4回法)。

適応:肝細胞がん(初発のものであって、肝切除術、肝移植術、エタノールの局所注入、マイクロ波凝固法又はラジオ波焼灼療法による治療が困難であり、かつChild―Pugh分類による点数が七点未満のものに限る。)

医療機関

群馬県  群馬大学医学部附属病院

千葉県  放射線医学総合研究所病院

神奈川県 神奈川県立がんセンター

兵庫県 兵庫県立粒子線医療センター

佐賀県 九州国際重粒子線がん治療センター

【先進医療B】

⇒医用重粒子加速器および照射装置を用い、1日1回15.0GyE、計4回、総線量60.0GyEの重粒子線治療を行う。照射法は1日2門以上、総照射門数4門以上の呼吸同期照射、治療期間は15日以内。

適応:非小細胞肺がん(ステージがI期であって、肺の末梢に位置するものであり、かつ肺切除術が困難なものに限る。)

医療機関

群馬県  群馬大学医学部附属病院

千葉県  放射線医学総合研究所病院

神奈川県 神奈川県立がんセンター

兵庫県 兵庫県立粒子線医療センター

佐賀県 九州国際重粒子線がん治療センター

【先進医療B】

⇒重粒子線治療開始と同時に、ゲムシタビン(GEM)治療を開始する。GEMは1回1000mg/m2を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。

適応:膵臓がん(遠隔転移しておらず、かつ、TNM分類がT4のものに限る。)

医療機関

群馬県  群馬大学医学部附属病院

千葉県  放射線医学総合研究所病院

神奈川県 神奈川県立がんセンター

佐賀県 九州国際重粒子線がん治療センター

【先進医療B】

⇒炭素イオン線治療(重粒子線治療)は各施設に設置された医用重粒子加速器および照射装置を用い、1 日1回4.6GyE、2 週間で6-8回を原則とし、合計16 回、総線量73.6GyE を照射する。

適応:直腸がん(術後に再発したものであって、骨盤内に限局するものに限る。)

医療機関

群馬県  群馬大学医学部附属病院

千葉県  放射線医学総合研究所病院

神奈川県 神奈川県立がんセンター

佐賀県 九州国際重粒子線がん治療センター




重粒子線まとめ

重粒子線は大きい粒子である炭素イオンを加速させて発生するエネルギーを利用して癌を攻撃する治療法です。

陽子線との違いは、用いる粒子の大きさと、発生させるエネルギーになります。

重粒子線は固形がんのみが対象です。

治療費は陽子線と同様に約300万円と高額ですが、一部保険適応もあります。

先進医療にも指定されています。