人工甘味料

多くの食品には、砂糖の代替甘味料として非糖質系甘味料(人工甘味料)が用いられています。

人工甘味料は、糖ではないので、血糖値を上げる事なく、砂糖の数百倍の甘味を出す事ができるので、糖尿病にならないと考えられていました。

しかし、近年の研究では、糖尿病や肥満のリスクが高まることが分かっており、健康被害も懸念されますが、はっきりとしたデータがないようです。

人工甘味料について、論文を参考にまとめます。

人工甘味料は安全なのか

人工甘味料とは

人工甘味料は、人工的に化学合成して作られた甘み成分です。

代表的なものは、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロースがあります。

1gあたりのカロリーも5kcal以下であり、ダイエット飲料水にも多く使用されています。

特徴

  • 甘味が強い(砂糖の数100倍)
  • カロリーがほぼ”0″
  • 血糖値を上げない

カロリーゼロと表記されている飲料水には、ほぼ人工甘味料が使われています。

御存じだと思いますが、カロリーゼロは、”ほぼゼロ”でカロリーゼロと表記できます。

人工甘味料と糖尿病・肥満

人工甘味料と病気

人工甘味料は、腸内細菌叢に変化をもたらし、耐糖機能障害を引き起こす可能性が示唆されています。

また、人工甘味料は摂取しても血糖値が向上しないため、脳は甘味を摂取したと認識するが、体内の受容器は糖に反応していないというズレが生じます。

すると、より糖質を欲しがり、糖質摂取行動を起こすとされています。

それが糖尿病や肥満にも繋がると考えられます。

2型糖尿病と人工甘味料

糖尿病になると、砂糖や果糖入り飲料水だと血糖値を上げてしまうので、控える必要がありますが、人工甘味料は血糖値上昇を引き起こさないので安心という認識を多くの方が持っています。

鈴木麻耶先生の2型糖尿病患者の人工甘味料入りソフトドリンクの摂取状況を調べた研究では、人工甘味料飲用2型糖尿病者のうち、7割が、糖尿病発症から意識して飲んでいると回答していました。

しかし、単に血糖値を上昇しない理由が、糖尿病に繋がらないという認識に対して、注意喚起を行うべきだと考えられます。

糖尿病と癌については、日本癌学会と日本闘病病学会が共同で報告しています。

糖尿病と癌の関係について詳しくはこちらにまとめてます⇒がんと糖尿病





人工甘味料と癌

人工甘味料の摂取が、癌に直接影響を与えるといった研究は見当たりません。

一方で、砂糖入りジュースの消費は、乳がん発生のリスクと有意な関連があったという、フランスの研究もあります。

Chazelas E. Sugary drink consumption and risk of cancer: results from NutriNet-Santé prospective cohort. BMJ. 2019.

アメリカの研究でも、砂糖入りジュースの摂取は死亡率と有意に関連していましたが、人工甘味料の摂取は死亡率と関連が認められませんでした。しかし、人工甘味料ジュースの高度摂取群においては、死亡率との関連が示唆されました。この高度摂取がどの程度か、今後の調査が待たれる所です。

Malik VS . Long-Term Consumption of Sugar-Sweetened and Artificially Sweetened Beverages and Risk of Mortality in US Adults. Circulation. 139(18):2113-2125. 2019.

以上2つの論文から言えることは、砂糖入りジュースは糖尿病リスクを高め、癌発生と癌死亡リスクも高めることは明白です。一方で人工甘味料ジュースは癌との関連は薄いと考えられますが、摂りすぎると死亡率を高めることが示唆されています。




人工甘味料まとめ

人工甘味料は血糖値を上げないため、糖尿病予防として期待されていましたが、近年の研究では肥満や糖尿病発症のリスクである事が分かってきました。

その原因は、腸内細菌の乱れや糖質不足による糖質過多が考えられています。

しかし、人工甘味料が癌発症や死亡率と有意に関連している事は、コホート研究でも否定されつつあります。

砂糖入り飲料を飲むより、人工甘味料の方が、死亡リスクは低くなりますが、安全とまでは言えないようです。

他、参考文献
櫻井勝. 人工甘味料と糖代謝. 糖尿病59(1):33~35,2016.
鈴木麻耶. 2 型糖尿病患者における人工甘味料入りソフトドリンクの飲用状況と
臨床背景との関連. 東女医大誌第87 巻. E261~E268. 2017.斉藤雅文. 人工甘味料と糖代謝. 日本栄養・食糧学会誌66(2):pp69-75.2013.