糖質制限

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がんの栄養は糖質だから、糖を摂らないようにしていますが、どの程度なら大丈夫でしょうか?という質問をよく受けます。

糖が、がんの栄養になる事は証明されていますが、糖を摂取すべきでないという認識は少し違うと考えています。

食事における糖質制限について、まとめます。

がんと糖質制限

糖質制限の根拠となるWarburg効果

Wurburg効果

Warburg効果とは、50年以上前にOtto Warburgが観察した現象で、がん細胞は有酸素下でもミトコンドリアの酸化的リン酸化よりも、解糖系でATPを産生する現象です。

つまり、がん細胞は、酸素をあまり必要とせず、グルコース(糖)から作りだした乳酸をエサとして増殖するという事です。

がんの関連学会でも、病院の糖質を約4割カットするべきだと主張する先生もいます。しかし、これには医師間でも認識の違いがあります。

糖質とがん

PET検査でも、がん細胞が糖を取り込む性質を利用してイメージングを行っており、がん細胞が糖質を多く取り込むことは疑いようのない事実です。

しかし、糖質を必要とするのはがん細胞だけではありません。

脳や筋肉の栄養は同じ糖質です。

糖質を制限すると、生きるために必要な糖分も制限することになり、がん治療で疲弊した正常細胞の活動も制限されると想定されます。

アメリカで行われた興味深い研究があります。

進行がん患者に対し、炭水化物の食事制限療法の研究が行われました。

食事療法のみで、がんの進行を抑制する効果は乏しかったです。

つまり、糖質制限をしても、がんの進行を抑制できるとは限りません。

がんとケトン食まとめ

糖質制限は必要ないの?

慢性高血糖によるがんのメカニズム

糖で気をつけて欲しいのは、慢性的な高血糖状態を作らない事です。

血糖値は、食事後2時間に上昇し、ゆるやかに下降していきます。しかし、おやつを食べる事で、下がりかけた血糖値を上昇させることになり、高血糖状態が作られます。

まずは、 おやつ(間食)のお菓子やデザートを控えて下さい。

その上で、脳や筋肉の栄養分である糖質は、しっかりと食事で摂取すべきです。

糖質の高い果物を避けると、ビタミン・ミネラル不足に陥ります。ビタミン不足はがんと関連が報告されています。

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糖質とがんまとめ

糖質ががんの餌(栄養)である事は事実ですが、糖質を制限する事で、がんの増殖が抑制される事にはなりません。

糖質は脳や筋肉の栄養分でもあり、極端な糖質制限はおススメできません。

間食による糖分摂取を控え、高血糖状態の解消に努めましょう。

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参考文献

  • chikamoto A. Preoperative High Maximum standardized uptake value in association with glucose transporter 1 predicts poor prognosis in pancreatic . cancer surg oncol 7.pp2040-2046.2017.
  • 春日 雅人.糖尿病と癌に関する委員会報告.糖尿病56(6).pp374-390.2013.
  • 後藤 温.糖尿病と癌に関する委員会報告 第2報.糖尿病59(3):pp174-177.2016.