がん治療中に動物性たんぱく質(ホエイプロテイン)が必要な理由

がん治療中には、たんぱく質が不足し、筋肉量が減少しがちです。その結果、運動量が低下し、体力も徐々に落ちてきます。

これらは、治療にも影響するため、無視できない問題です。

2021年に発表された

「癌における筋肉同化作用をサポートするためのタンパク質源の重要性:専門家グループの意見」(Katherine L. Ford, The importance of protein sources to support muscle anabolism in cancer: An expert group opinion. Clinical Nutrition 44(2021,11))

を参考に、がんとタンパク質についてまとめます。

がんと筋肉

がん診断前後と比較して、約17g(/日)以上のたんぱく質が低下する。

Fassier P. Zelek L et al. Modifications in dietary and alcohol intakes between before and after cancer diagnosis: results from the prospective population-based NutriNet-Santé cohort.Int J Cancer. 2017; 141

筋肉の喪失は癌患者が経験する顕著な問題です。そして予後に影響を与える

Prado C.M. Lieffers J.R. et al. Prevalence and clinical implications of sarcopenic obesity in patients with solid tumours of the respiratory and gastrointestinal tracts: a population-based study.Lancet Oncol. 2008; 9: 629-635

炎症関連の食欲不振と癌治療の副作用によるタンパク質摂取量の減少は、筋肉の喪失にさらに寄与します。

van der Meij B.S. Teleni L. Engelen M.P.K.J. Deutz N.E.P.
Amino acid kinetics and the response to nutrition in patients with cancer.Int J Radiat Biol. 2019; 95: 480-492.

周術期の筋肉の喪失は、安静、手術自体の異化ストレス、および栄養摂取量の減少に起因する可能性があります。

結腸直腸癌の患者を対象とした小規模な研究では、健康な患者と比較して、癌の患者は手術前に下肢の除脂肪体重(筋肉量を含む)が有意に少ないことがわかりました。

がんと動物性たんぱく質

動物タンパク質は、癌の積極的な治療中に、筋肉の有害な喪失を防ぎ、筋肉の同化作用を促進するために非常に重要です。

筋肉の同化を刺激するロイシンは重要な調節因子で、おそらく唯一の刺激装置。

ロイシンは、他の必須アミノ酸と比較して、mTOR経路(必須同化経路)の最も強力な刺激物質でもあります。

Katherine L. Ford, The importance of protein sources to support muscle anabolism in cancer: An expert group opinion. Clinical Nutrition 44(2021,11)

必要なたんぱく質量

がん治療中にたんぱく質量は、

1.2g / kg / 日 

体重50kgであれば、1日に必要なたんぱく質は60gとなります。

がん治療中だからと、必要以上にたんぱく質を摂る必要はありません。

しかし、不足しがちな分は、しっかり補って下さい。

ホエイプロテインを活用する場合は、1食20g以上のたんぱく質が摂れるプロテインが良いとされています。

プロテインについては、こちらの記事を参考に。⇒がんとプロテイン