がんの基礎知識一覧

緩和ケア病棟の実際と課題

緩和ケア病棟とは治癒を目指した治療が困難になった本人またはその家族に緩和ケアを行うとともに、外来や在宅への円滑な移行も支援する病棟です。しかし、希望した時期に関分け病棟に入院できるとは限りません。また、入院期間も1ヵ月と決められている病院も多いです。がんの方が増える今、緩和ケア病棟は順番待ちの状態です。早めに申し込みを行う必要があります。

免疫の仕組み・免疫を高める方法

狭義の免疫と広義の免疫について述べました。栄養療法や統合医療の動物実験や人に対する免疫の検証を見ても、実験結果で示されているのはサイトカインです。ですが、広義の免疫を高めることは良い事です。感染症や腫瘍熱が出た際に、広義の免疫を高めている方が悪化しません。自分で出来る広義の免疫を高めるトレーニングは積極的に取り入れるべきだと考えます。

前立腺がんの基礎

前立腺がんは進行が遅く、前立腺がんが原因で亡くなる方もわずか1%です。しかし、進行して前立腺がんが見つかると、骨転移などの合併症で日常生活が困難になります。 そのため、検診などでの早期発見が重要です。早期発見されても待機療法で様子をみるケースもあります。主治医と治療方針を話し合うことが重要です。

がんとリンパ浮腫

リンパ浮腫の原因は外科手術、がんの浸潤と転移、放射線治療など様々です。合併症として蜂窩織炎や深部静脈血栓症、リンパ管炎があります。予防するためには日常生活の注意を守ることが重要です。また、運動は禁忌と思われがちですが、積極的に行うことが推奨されています。

がん悪液質と筋肉減少

がん細胞は糖を栄養に活動しており、消費した糖を肝臓で再構築して活動しています。がん細胞は炎症性サイトカインを異常に産生することで、筋肉減少を引き起こしています。また、体脂肪も減らします。これらが異常な体重減少を引き起こし、飢餓状態となる悪循環を生みだしています。

がんと味覚障害

味覚障害はがん治療患者の多くが経験しており、命には関わらないからと軽視されがちです。しかし、食べる楽しみを奪われる苦痛は測り知れません。また、食欲減退がおこると栄養障害に発展し、治療に支障をきたすこともあります。「がんという命に関わる治療をしているのだから、これくらい我慢しないといけない」と考えがちですが、辛い治療だからこそ、栄養というベースを整える事が重要です。

脳腫瘍、脳転移

脳腫瘍には良性と悪性があります。良性は手術による症状の改善が期待できますが、悪性の場合、放射線治療や抗がん剤が選択されます。転移性脳腫瘍は悪性度が高く、肺がん、乳がん、大腸がんで多くみられるので注意が必要です。発見まで時間がかかり、症状が重くなるケースも少なくありません。CTで良いので、定期的な脳検査を申し込んで下さい。

肝臓がんの基礎知識

肝臓がん治療で完治は肝臓の部分切除術です。しかし、肝臓内に転移が多い、肝臓以外へ転移しているケースでは、切除術が選択できない事もあります。その場合、抗がん剤や放射線治療を行う事になります。肝内の胆管が閉塞した場合は、ステント術を行い処置します。肝臓がんは決して珍しい病気ではなく、消化器からの転移でおこる転移性肝がんにも注意が必要です。

造血器腫瘍(血液のがん)の病態と治療

急性白血病は造血幹細胞から血液細胞へ分化する過程の未熟な細胞が骨髄中で異常に、無失序に増殖し、正常な造血を阻害する病気です。病気になると貧血、血小板の減少、白血球の増加・減少を起こし、それに伴う症状で発見されやすいです。他の臓器に転移する確率は低いですが、治療をしないと数週間~数ヵ月以内に死亡します。

がんの骨転移

骨転移の恐ろしい症状は、常に続く痛みと脊髄を圧迫することで起こる麻痺です。骨転移はすべての臓器がんで起こる可能性があります。防ぐ術は現在の医学ではありません。定期的な検査のみです。自分の身は自分で守るが鉄則です。定期的な検査を自ら主治医へお願いしてください。