リスク管理一覧

利尿薬

がん患者さんの多くは利尿薬を使用する機会が多いです。そのため、副作用を自身で理解して欲しいと思います。利尿薬は水の再吸収を阻害する薬剤であり、全身浮腫の軽減を目的として処方されます。速効性のあるループ系利尿薬や、強力なバソプレシン拮抗薬など様々です。主治医により併用方法などが異なりますが、副作用が起こった際の身体のサインに気付く事が重要です。

骨粗鬆症

婦人科系のがん治療では、骨密度が低下する骨粗鬆症のリスクが高まります。骨密度が低下していた場合は、骨粗鬆症に対する薬物治療が行われます。しかし、100%骨折を予防できないので、骨折を起こさない動作を知る事が重要です。

骨髄抑制

化学療法や放射線治療を受けると、血球の減少がおこりますが、これを骨髄抑制と呼びます。骨髄抑制になると、感染症や貧血、出血傾向に注意が必要です。骨髄抑制を改善する方法はなく、回復するのを待つのみです。その間に感染症などのリスクが高まるので、手洗いうがいやバランスの良い食事を摂る事が重要になります。

癌とビタミン

ビタミンは脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがあります。ビタミンは身体の中で起こる様々な反応の補助として働いており、食物から摂取する必要があります。ビタミンを点滴で投与する方法もありますが、過剰になると癌を引き起こす可能性が考えられており、医師の判断が必要です。水様性ビタミンはサプリで摂取しても、ほとんどが尿として排出されている可能性があります。高額なビタミン剤には注意が必要です。

骨転移のリハビリテーション

骨転移を起こすと日常生活に支障が生じます。そのため理学療法士や作業療法士によるがんリハビリテーションが行われます。骨転移のリスク管理は、易骨折、貧血、高カルシウム血症です。それらに注意しながら装具療法や運動療法、疼痛緩和のためのマッサージが行われます。身体の評価・訓練は理学療法士が専門ですので、頼ってください。

乳がん術後リハビリ

乳がんの手術は比較的早期に退院可能です。しかし、手術した側の肩が上がらない、手の浮腫み、炎症などの問題が生じます。手術後の運動を適切に行わないと、日常生活にも影響を及ぼします。手術後は理学療法士または作業療法士によるリハビリテーションを受ける事をおススメします。

間質性肺炎のリハビリ

免疫チェック阻害薬のオプジーボによる薬剤性間質性肺炎が報告されています。間質性肺炎になるこ呼吸困難や咳、指の変形が現れ、日常生活がとても不自由になります。治療はステロイド剤となりますが、完治は難しいです。そのため、呼吸リハビリテーションが行われます。呼吸方法の指導、日常生活の工夫、自分で行うストレッチ、軽い運動が大事です。

がんリハのリスク管理

がんリハビリテーションを行う前に、がんによる症状、抗がん剤による症状、既往歴の症状、二次的合併症を把握しておく事が大事です。 がんリハビリテーションの中止基準には日本がんリハビリテーション研究会の策定した中止基準を参考にしますが、リハビリスタッフはアンダーソン・土肥の中止基準を用います。 セラピストは患者さんに寄り添ったリハビリテーションを行います。

造血器腫瘍(血液のがん)の病態と治療

急性白血病は造血幹細胞から血液細胞へ分化する過程の未熟な細胞が骨髄中で異常に、無失序に増殖し、正常な造血を阻害する病気です。病気になると貧血、血小板の減少、白血球の増加・減少を起こし、それに伴う症状で発見されやすいです。他の臓器に転移する確率は低いですが、治療をしないと数週間~数ヵ月以内に死亡します。

がんリハ

がんのリハビリテーションという言葉を聞いた事ありますか。リハビリという言葉は一般的に聞くと思いますが、具体的に何をするのかよく分からない。マッサージ?と思う方も多いと思います。