副作用一覧

嘔吐の機序と対処療法

悪心・嘔吐は抗がん剤の24時間以内に出現する超急性副作用です。その他、遅発性や予測性などがあります。その機序には、抗がん剤による小腸と第4脳室刺激から延髄への入力が原因とされています。その対策にはステロイドと制吐剤を併用した制吐療法が行われます。非薬物療法としては、ツボやリラクゼーションなども有効です。

癌と腸閉塞

癌の腸閉塞は、多くの癌患者さんが悩む症状の一つです。吐気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が出現します。癌に伴う腸閉塞の原因には、癌治療薬の副作用、術後合併症、癌の圧迫、腹膜播種があります。治療は保存療法から手術まであります。

肩 (乳がん術後)

乳がん術後の症状に苦しむ方は多く、その原因はアライメントの問題から薬剤まで複合的です。大抵、主治医へ相談しても解決しないケースが多いです。今できる事は、自主訓練しかありません。また、一見関係の薄そうな有酸素運動を取り入れることも、有効とされていますので、ジョギングやランニングを始めてみるのもいいかと思います。

がんとケトン食

ケトン食による糖質制限は、糖質を栄養とするがん細胞を兵糧攻めにして活動を抑制することを狙った食事療法です。その有効性については様々な報告がありますが、エビデンスとして確立させたものは確認できませんでした。あくまでも補助代替療法として考える必要がありそうです。

がんとリンパ浮腫

リンパ浮腫の原因は外科手術、がんの浸潤と転移、放射線治療など様々です。合併症として蜂窩織炎や深部静脈血栓症、リンパ管炎があります。予防するためには日常生活の注意を守ることが重要です。また、運動は禁忌と思われがちですが、積極的に行うことが推奨されています。

がん悪液質と筋肉減少

がん細胞は糖を栄養に活動しており、消費した糖を肝臓で再構築して活動しています。がん細胞は炎症性サイトカインを異常に産生することで、筋肉減少を引き起こしています。また、体脂肪も減らします。これらが異常な体重減少を引き起こし、飢餓状態となる悪循環を生みだしています。

味覚障害の対応

味覚障害に対しては、食べ物の工夫や食生活改善が有効とされています。自分で行える唾液腺マッサージやツボを刺激することで、味覚障害を改善できるかもしれません。味覚障害は一時的な副作用ですが、栄養状態を悪くする可能性もあるので、上手に付きあう知恵を身につけましょう。唾液腺マッサージやツボなども有効です。

がんと味覚障害

味覚障害はがん治療患者の多くが経験しており、命には関わらないからと軽視されがちです。しかし、食べる楽しみを奪われる苦痛は測り知れません。また、食欲減退がおこると栄養障害に発展し、治療に支障をきたすこともあります。「がんという命に関わる治療をしているのだから、これくらい我慢しないといけない」と考えがちですが、辛い治療だからこそ、栄養というベースを整える事が重要です。

がんの血液データ

入院や外来にて必ず行う血液検査。患者さんにも検査結果を手渡されますが、主治医から説明がないと全く分からないですよね。医師によっては必要最低限の説明しかしないケース、口頭で説明されるだけで検査結果を開示されないケースと様々です。もちろん専門家である医師の意見が重要ですが、自分の身体を理解するためにも、自分で多少は理解しておく事が重要だと思います。ここでは臓器別に血液検査データの異常値の解釈について説明します。