血液データ一覧

口内炎

口内炎は癌治療患者さんの約6割におこる副作用であり、地味に辛いです。医師は治療を優先しているので、「治るまで我慢ですよ。」と言いますが、食欲減退、食事量低下、栄養不良などの悪循環になる可能性があります。また、メンタルも落ちます。癌治療を継続できるように、予防と早期対策が重要です。

骨髄抑制

化学療法や放射線治療を受けると、血球の減少がおこりますが、これを骨髄抑制と呼びます。骨髄抑制になると、感染症や貧血、出血傾向に注意が必要です。骨髄抑制を改善する方法はなく、回復するのを待つのみです。その間に感染症などのリスクが高まるので、手洗いうがいやバランスの良い食事を摂る事が重要になります。

癌とビタミン

ビタミンは脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがあります。ビタミンは身体の中で起こる様々な反応の補助として働いており、食物から摂取する必要があります。ビタミンを点滴で投与する方法もありますが、過剰になると癌を引き起こす可能性が考えられており、医師の判断が必要です。水様性ビタミンはサプリで摂取しても、ほとんどが尿として排出されている可能性があります。高額なビタミン剤には注意が必要です。

腹水・KM-CART

腹水は肝臓がんや胆管がんで見られますが、腹膜播種が原因になることもあります。第一に利尿剤で体内の水分を除去する治療が行われますが、改善しない場合はKM-CARTで腹水を抜き、濃縮されたアルブミンなどを体内へ戻します。KM-CARTは2週間に1回のみ保険適応となります。

腫瘍マーカーの見方

腫瘍マーカー測定は癌の進行度を反映でき、必要な不可欠な検査です。しかし、診療報酬上、何度も検査できません。特異度と感度が低いので、早期発見の検査には向かない腫瘍マーカーが多いです。そのため腫瘍マーカーは、がんが確定している患者の経過を知るために用いられます。

癌に伴う血液凝固亢進

がん細胞には血液凝固能を亢進させる作用があり、がん疾患の半数で微小な血栓・梗塞が発生していると言われています。その機序にはがん細胞による凝固因子の活性化とサイトカインを介した凝固能亢進が考えられています。脳動脈に塞栓ができるトルーソー症候群のリスクも考えられるため、血液検査にて凝固因子を測定・モニタリングすることが重要になります。治療はワーファリンではなく、ヘパリンが選択されます。

がんと亜鉛不足

前半は亜鉛の基礎知識、後半はがんとの関係について述べました。亜鉛は現代人に不足しており、その原因は添加物を多く摂取する食生活の変化だと考えらえれます。抗がん剤による亜鉛不足がもたらす味覚障害がありますが、そもそもの亜鉛不足も原因の一つです。また、乳がん、膵臓がん、前立腺がんにおいて亜鉛との関係が研究により明らかになりつつあります。

造血器腫瘍(血液のがん)の病態と治療

急性白血病は造血幹細胞から血液細胞へ分化する過程の未熟な細胞が骨髄中で異常に、無失序に増殖し、正常な造血を阻害する病気です。病気になると貧血、血小板の減少、白血球の増加・減少を起こし、それに伴う症状で発見されやすいです。他の臓器に転移する確率は低いですが、治療をしないと数週間~数ヵ月以内に死亡します。

がんの血液データ

入院や外来にて必ず行う血液検査。患者さんにも検査結果を手渡されますが、主治医から説明がないと全く分からないですよね。医師によっては必要最低限の説明しかしないケース、口頭で説明されるだけで検査結果を開示されないケースと様々です。もちろん専門家である医師の意見が重要ですが、自分の身体を理解するためにも、自分で多少は理解しておく事が重要だと思います。ここでは臓器別に血液検査データの異常値の解釈について説明します。